売買契約書で重要な条項について簡単に説明します。

・基本的なケースの場合の説明です。
・売買不動産の状況によって変更はありえます。
・疑問があれば専門家に相談しましょう。
・失敗してから相談よりは事前に相談するのがベターだと思います。
・疑問点があれば「無料相談フォーム」をご利用ください。

手付金

契約締結の際、通常、手付金が支払われます。
手付金は、売買代金の一部では、ありません。

手付金の効果は、次の通りです。

売主、買主の契約当時者が契約の履行に着手するまでの間は解除権を留保し、解除したときは買主は手付流し(手付けの放棄)、売主は手付倍返し(手付け金額の倍額を買主に返す)で清算するという趣旨で交付される解約手付です。

手付金については、売主が不動産業者の場合には手付けの金額に制限があります。 (売買金額の20% )
また手付金に保全措置をしなければならない場合があります.

買対象面積・売買代金清算の方法

不動産の売買代金は単価に土地の面積を乗じて算出します

土地の面積の確定方法として

@ 実測面積によるもの
A 登記簿面積によるもの があります。

実測面積は「測量図」を作成することによってわかります。
原則として、土地家屋調査士、測量士等の資格ある者が売買対象地と隣接するすべての土地の境界について立会い(境界確認)、これにもとづき作成された「確定測量図」によって算出されます。

通常は、隣地所有者立会いを証する書類等が添付されています。

測量費用は、売主の負担になります。

登記簿面積による場合は、次のような場合です。

別荘地、山林、農地等、取引金額に比べて測量費用の額が大きすぎるものとか、また既分譲地、土地区画整理事業等で登記簿面積が信頼できる場合に登記簿面積を採用します。
通常は、実測面積を採用します。

境界の明示

不動産の売買で、境界に関するトラブルは非常に多く発生します。

十分注意する必要があります。
境界石等が不明の場合には、「確定実測図」を作成すれば安心できます。
「確定実測図」の作成の場合には、隣地所有者が立会うので、後日境界についてのトラブルの発生がほとんどありません。

単価の高い土地の場合には、売主に「確定測量図」を作成してもらったほうが良いと思います。

境界について、以前、隣地所有者との間で争いがなかったどうか、また、境界石および境界線(ブロック等の場合、中心か、内側か、外側か)ならびに隣地境界にあるフェンス、ブロック等の所有権の帰属の確認、また隣地からの建物の屋根、庇、バルコニーや堀等の境界突出物の有無の確認、確認の結果、隣地からの突出物、また逆に隣地への突出物があることが判明した場合には、特約条項で処理することが必要です。

所有権の移転および引渡し

売買不動産の所有権の移転時期および引渡しの時期を定めた条項です

通常、売買不動産の所有権は、買主が売買代金全額を支払ったとき(通常は残代金支払いのとき)に買主に移転します。
法律上は引渡しと残代金の支払いは同時履行ですが、実務上は同時履行することができない場合があります。

このような場合には、特約条項で処理しますが、トラブルの原因になりがちなので、売主の事情を十分確認する必要があります。

抵当権等の抹消

売主に、売買不動産の所有権の行使を阻害する担保権等を抹消し、負担のない完全な所有権の供与義務を定めた条項です。

売主は、買主に売買不動産に関して、物の移転だけでなく、負担のない完全な所有権をも供与しなければならず、そのため所有権の移転時期までに売買不動産に存する抵当権等を自己の負担で抹消しなければなりません。

抹消しなければならないのは、抵当権のみならず、先取特権、地上権、地役権、賃借権、留置権、質権、使用貸借権、差押え、他人名義の所有権移転の仮登記等、完全な所有権の行使を阻害する権利は引渡し時までに抹消しなければなりません。

抵当権等の抹消は、通常、残代金支払い時に同時に抹消します。

但し、完全な所有権でない状態で売買をおこなう場合があります。

この場合には、それに応じた特約条項での処理が必要です。
例えば、建物賃貸借の負担付売買(居ぬき売買、オーナチェンジ)地役権付の売買等があります。
なお、抵当権等の抹消に必要な司法書士等の費用は当然買主の負担です。  

所有権移転登記等

所有権の移転登記手続きに関する条項です。
所有権移転登記申請手続きは売主の義務です。

所有権移転登記は、所有権移転の効力発生要件ではなく、第三者に対する効力発生用件にすぎません。

つまり、移転登記がなくても、買主は、売主に対して自分に所有権が移転したことを主張できますが、売主以外の第三者に対しては、移転登記がないと自分に所有権が移転したことを主張できません。

申請手続きにあたっては、売主の「所有権移転登記済書」(権利書です。権利書をない場合には保証書でおこないます。) 印鑑証明書(発行日から3ヶ月以内) 住民票(売主の住所が変更されている場合)が必要です。

所有権移転登記手続きは、残代金の支払いと同時に行います。

この手続きに必要な登録免許税、司法書士の報酬等は、買主の負担になります。

売主が相続した不動産を購入する場合には、相続登記が間違いなく行われるどうか確認する必要があります。

引渡し前の滅失等(危険負担)

売買不動産が、引渡しまでに、売主・買主いずれの責任にもよらず、天災地変等で滅失・毀損し引渡しが不可能になったときは本契約を解除できること、修復が可能なときは修復して引き渡すことを定めた条項です。

売買不動産が引き渡し前に滅失、毀損したとき、その損害(危険)をだれが負担するか、いわゆる危険負担の問題です。
これには買主(債権者)が負担する債権者主義、売主(債務者)が負担する債務者主義があります。 民法は、不動産のような「特定物」売買の場合は債権者主義を原則としていますが、不公平さがあるので、現実には、ほとんど採用されていません。

実務上は、売買不動産が毀損し、修復が可能なときは売主の負担で修復して引渡し、逆に、毀損が甚大で修復するのに多額の費用、多大な時間を要するときや、滅失によって、売買不動産の引渡しが不可能な場合には、売主・買主は解除できます。

この場合売主は、受領済みの手付金、内金等を無利息で買主に返還し、買主は、自己登記名義、仮登記があれば、その抹消登記手続きをする等の現状回復だけで済ませ、買主は

売買代金の支払い債務を免れることになります。
すなわち、危険は売主が負担することになります。
売主または買主に責任がある場合には、本条項の適用はありません。

当然のことですが、責任がある売主または買主が負担することになります。

付帯設備の引渡しについて

付帯設備を契約締結時の性能で引き渡すとした条項です。
普通は、本契約の売買対象には付帯設備は含まれていません。

付帯設備のうち、どれを売買対象に含めるのか決める必要があります。

付帯設備表を作成して、売主・買主で付帯設備の内容を確認します。

売主が買主に引き渡すと約束した付帯設備については、使用できる物は使用できる状態で、使用できない物は使用できないと告知して引渡します。

したがって、売主がある付帯設備を本契約時に使用ができ、かつ買主に引き渡すと約束すれば引渡し時までに使用できなくなってしまったときは、使用できるようにして引き渡すことが必要です。

公租公課の分担等

固定資産税等の負担区分を定めた条項です。
清算するのは、固定資産税と都市計画税が中心となります。
納税義務者は、所有権者であるかどうかを問わず、その年の1月1日現在の登記名義人です。

したがって、売買不動産の引渡し日を基準にし、前日までの分は売主に、引渡し日以降の分は買主がそれぞれ負担することになります。

納税義務者は、その年の1月1日現在の登記名義人である売主ですので、買主は負担分を売主に支払うことになります。
売主が一括支払いすることになります。

区分所有建物いわゆるマンションの場合、公租公課の清算のほか、管理費・修繕積立金等も清算する必要があります。
それ以外にも清算するものがないかどうか充分注意しましょう。

瑕疵担保責任

売買の目的物に「隠れた瑕疵」が引き渡し後発見された場合、売主に修復義務があることを定めた条項です。

不動産の売買で一番もめる問題です。

瑕疵担保責任については、民法で定められていますが、任意規定ですので当事者の合意によってこの条項を削除することは可能です。

中古住宅で建物の価格が非常に低い場合には、瑕疵担保責任を免除する場合があります。  

通常は、売主・買主に公平になるように瑕疵担保責任の条項を きめています。

一律的に瑕疵担保責任の期間・範囲は決められません。                      
売買不動産の状況によって決めます。
建物の性能評価、地盤調査等を行うことが必要な場合があります。

売主が不動産業者の場合には、瑕疵担保責任については、免責にすることはできません。

瑕疵担保責任の期間も2年以上と宅地建物取引業法できめられています。
一番問題が発生する部分ですので、充分注意しましょう。

売買に際して、重要であると思われる事項を簡単に説明しました。

更に、詳しいことを知りたい場合には、ご質問ください。

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手塚不動産鑑定事務所 不動産調査 千葉

 

 

 

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